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幸せを紡ぐ物語
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物語【cross road】第2話
仕事が休みの日になると時々、私はこの交差点にやってきます。巨大な交差点の真ん中に立って人ごみにまぎれていると、雑踏の中、妙な安心感を覚えます。地球人だろうが、宇宙人だろうが関係なく、この雑踏の中では私は大勢の中の一人にすぎないのです。そしてまた、猛烈な孤独感を感じることもあります。
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物語【夜間飛行】第2話
その友だちは小説家を目指す同志なのです。家がお金持ちの友達と貧しい青年、立場は違えど同じ夢を語り合う時間を何度も持った仲間です。友達の頰は紅潮し、希望で輝いていました。青年は軽くコーヒーカップを持ち上げて「おめでとう」とにっこりしました。
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物語【小さな灯】第3話
ある日、疲れて一休みしている小さな天使のところに、友だちの天使が来て言いました。「人間って不思議だね。みんな幸せを願っているはずなのに、あっちでもこっちでも憎しみや争いばかり。いくら希望の明かりを灯してまわったって、すぐにろうそくの灯は消されてしまう。
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物語【cross road】第1話
私の宇宙船がこの星に不時着して半年が経ちました。右も左も分からなかった私は、親切な地球人のおばさんに助けられ、なんとか暮らしています。昼間は工場で働いて、自分の生活費を稼ぐようにもなりました。私の故郷の星にいるお父さんお母さん、どんなにか心配していることでしょう。
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物語【ミズキンバイ】最終話
ミズキンバイの妖精は二人の願いを聞き入れ、ずっとお城の庭で暮らしました。カエルの王様と王妃様はミズキンバイの妖精を、まるで自分たちの子どものようにかわいがりました。カエルの王様と王妃様のお城の庭は、ミズキンバイでいっぱいになりました。
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物語【ミズキンバイ】第3話
ある日、すっかり元気を取り戻したミズキンバイの妖精が言いました。「王様、王妃様、私を助けてくれてありがとうございます。お礼にあなたたちの願いを叶えてあげましょう」ああ、とうとうこの日が来たのか、王様とお妃様はそっと目を合わせました。
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物語【夜間飛行】第1話
ある街にとても貧しい青年がいました。青年は働きながら小説家を目指していました。生活費を稼ぐ仕事の合間にコツコツと小説を書いてはコンクールに挑戦していましたけれど、いつもあと一歩のところで夢はつかめません。ある晩のこと、青年は町のカフェでコーヒーを飲んでいました。
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物語【小さな灯】第1話
空の高い高いところのもっと高いところに「ろうそくの庭」はありました。広い庭には長いろうそくや短いろうそく、大きいろうそく小さいろうそく、たくさんのろうそくがあって、明かりが灯っていたり消えていたりしています。
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物語【ミズキンバイ】第2話
カエルの王様と王妃様は、ミズキンバイの妖精を大切に抱えて自分たちのお城へ戻りました。そして、お城の庭の、一番お日様の光が当たる場所にミズキンバイを植え、その草の上に妖精を寝かせました。眠っているミズキンバイの妖精を、お日様が暖かく照らしています。
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