幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【ひなたぼっこ】最終話

    おばあさんは、おじいさんとの思い出がたっぷり詰まったこの庭が大好きなのです。「空耳かねぇ。小さな子どもの歌声も聞こえるようだ。きっとどこかで子どもが遊んでいるのだろう」息子さんはそう独り言のようにつぶやくと、おばあさんが入れてくれた2杯目の紅茶を口に運びました。

  2. 物語【ひなたぼっこ】第3話

    長く伸びたツルは、金の鈴の実をつける不思議な植物。草花が咲き乱れる地面から、1本だけ悠々と空へ伸びています。りんりんりん…時々風に揺られて、ツルについた鈴たちが小さな音楽を奏で、女の子は鈴の音に合わせて歌を口ずさみます。

  3. 物語【ひなたぼっこ】第2話

    りんりんりん…おばあさんと一緒にティータイムを過ごしている息子さんの耳に、どこからか小さな鈴の音が聞こえました。「母さん、今、庭から鈴の音がしなかったかい?」おばあさんは「さあ、私には何も聞こえなかったよ。きっと空耳だろうよ。」と言って紅茶をすすりました。

  4. 物語【ひなたぼっこ】第1話

    おじいさんが亡くなってから、おばあさんは小さなお家に一人で暮らしています。おばあさんの家の庭はいつでも草がぼうぼうで、雑草だらけです。春になると息子さんがやってきては庭の手入れを申し出てくれるけど、おばあさんは「いいから、いいから。

  5. 物語【日傘】最終話

    閉じ切ったままの窓に顔を寄せ、吹き荒れる雨風の中を悠然と歩いていくあの人の姿を見つめた。一瞬強い風が吹き、竹林がざわっと揺れ、笹の葉が舞い散った。あの人はよろめき立ち止まったけれど、額に張り付いた笹の葉をさっと払いのけると、何事もなかったかのように歩き去って行った。

  6. 物語【日傘】第2話

    この数ヶ月の間、開いたことがないこの部屋の窓から見ると、向こうの竹林の緑の爽やかさと合間って、まるで暑い気配は感じられない。でも、この日差しの強さからすれば、真夏の太陽は容赦ないはずだ。この部屋からは、季節さえ忘れ去られている。その日は朝から強い風雨が吹き荒れていた。

  7. 物語【日傘】第1話

    いつもの時間、もう数ヶ月も閉じたままの窓から、外を覗く。小さな裏庭の低い垣根の向こうを、あの人が通り過ぎて行く。彼女の背景を彩る、通りを挟んだ竹林の竹のように、いつでもすうっと背筋を伸ばしまっすぐに前を向いて歩いていく。こちらに目を向けることはない。

  8. 物語【春を待つ日】最終話

    「一度自分の故郷へ帰ろうと思う。この国と違って気候が良くて住みやすい国だよ。でも、僕自身が住み難くしていたんだ」故郷で何かあったのだろう、と思ったけれど私は尋ねませんでした。「どんなに住み心地の良い場所でも、楽しむ心がないとダメだと君とこの国の人たちに教えてもらったよ。

  9. 物語【春を待つ日】第4話

    「故郷か…」故郷、と言った私の返事に何かを思い出したかのように若者はつぶやきました。「あなたはなぜ自分が生まれた国を出たの?」若者は私の質問には答えずに、アイスクリームのコーンの最後のひとかけらを口に放りこみました。

  10. 物語【春を待つ日】第3話

    この国では短い春の間、あちこちでお祭りが催されます。仕事が休みの日、カフェで出会った青年を町のお祭りに案内することにしました。お祭りの会場は、町の人たちだけではなく、近隣の国から稼ぎにきた大道芸人たちや観光客で賑わっています。

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