幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【candle in the wind】第1話

    この世界は何もなかった。正確に言うと、灰色の雲と砂と風だけがあった。吹き荒れる風の音は、悲しみと孤独の音楽を奏でていた。ここがこの女の世界なんだ。そして今、僕はここにいる。人間界に降り立った僕は、人ごみにまぎれていた。

  2. 物語【風の匂い】第3話

    男の子は、今年の夏のお祭りのことを思い出しました。いつもは大人が一緒じゃなきゃ行っちゃ行けないんだけど、今年は初めてケンタと「二人だけで行っていいよ」とお母さんが言ってくれたのです。ケンタと二人、ドキドキしながら人ごみを歩きました。

  3. 物語【喝采】最終話

    今夜も日付が変わる頃になると客たちが集まり、店の中は上品な賑わいに満ちあふれた。グラスをかたむけながら語り合う紳士淑女、女性たちの軽やかな笑い声が店の空気を楽しげに揺らしている。しばらくすると、店のオーナーが客たちに静粛を求め、1人の歌い手が舞台に現れた。

  4. 物語【風の匂い】第2話

    「君は誰なの?」と男の子が言うと、女の子は答えずにニコッと笑いました。女の子が笑うと小さく風が吹いて、海の匂いがしました。男の子は、夏休みにお父さんが連れて行ってくれた海水浴を思い出しました。

  5. 物語【喝采】第3話

    そんなある日、もう日が暮れた頃、空き地で1人歌う女に声をかけるものがいた。声をかけてきたのはクラシックなスーツに身を包んだ上品な紳士で、この近くにある高級クラブのオーナーだと自己紹介をした。紳士は女の歌を賞賛し、自分の店の歌手として舞台に立たないか、と誘ってきたのだ。

  6. 物語【風の匂い】第1話

    夕暮れ近く、学校帰りの男の子が1人、野原でぶらぶら道草をしています。遠くの街から引っ越しをしてきた男の子は、夏休み明けから新しい学校に通いだし、ちょっとずつ友だちも増えてきました。けれど、学校の帰り道、早くも吹き始めた秋風を感じると、ちょっと寂しい気持ちになります。

  7. 物語【喝采】第2話

    女が歌手を夢見てこの街へやってきたのは5年前。けれど、一人田舎からでてきて誰も知るものもいない女が歌手として成功するなど、一筋縄でいくわけがない。女は昼間は街のレストランでウェイトレスとして働きながら、夜になるとチャンスをつかもうといろいろな店を回った。

  8. 物語【喝采】第1話

    ある街のはずれ、真夜中になると、どこからかかすかに歌声が聞こえる。その店がどこにあるのか、誰も知らない。夜、もう日付が変わる頃になると客たちが集まり、店の中は活気づく。グラスをかたむけながら語り合う紳士淑女。婦人たちの軽やかな笑い声に、店の空気が楽しげに揺らめいた。

  9. 物語【黄色いバラ】最終話

    店をあとにする女性に、店主が黄色いバラを手渡しました。「あの日も黄色いバラをいただきましたね」「はい、黄色いバラの花言葉は友情です。自分の花を咲かせようとするあなたに友情のエールを贈ります」「ありがとう」女性は黄色いバラを大切そう受け取りました。

  10. 物語【黄色いバラ】第4話

    独り言のようにつぶやいた女性に店主が言いました。「バラの季節以外にも店はやっていますよ。いつでもあなたをお待ちしています」「ありがとうございます。

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