1. 物語【candle in the wind】第3話

    僕はその女の心の中に入り込んでいた。そうか、この女は恋人と別れたのだな。たかが恋をなくしただけ、というわけではないのだろう。この女の無垢なる魂は金色の輝きを放っていると言うのに、心の中の情熱の火はすっかり消えてしまったようだ。人間の感情と言うのはやっかいなものだ。

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  2. 物語【風の匂い】最終話

    夕方ケンタの家まで謝りに行ったお母さんと男の子に、ケンタは「気にするな!」といい、ケンタのお母さんは「わざとじゃないんだから」と笑ってくれたのです。その帰り道、「ケンタくんは本当に良い友だちね」というお母さんに「親友なんだよ!」と答えました。男らしいケンタが自慢でした。

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  3. 物語【candle in the wind】第2話

    私の心は空っぽだ。彼が私のもとを去ってから、世界は色を失った。今までだって何度か恋をして来たはずだけど、彼は私にとって特別な人だった。朝起きると涙が出た。涙を流しながら朝食のトーストをコーヒーで流し込んだ。満員電車の中で彼の影を探した。

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  4. 物語【風の匂い】第3話

    男の子は、今年の夏のお祭りのことを思い出しました。いつもは大人が一緒じゃなきゃ行っちゃ行けないんだけど、今年は初めてケンタと「二人だけで行っていいよ」とお母さんが言ってくれたのです。ケンタと二人、ドキドキしながら人ごみを歩きました。

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  5. 物語【candle in the wind】第1話

    この世界は何もなかった。正確に言うと、灰色の雲と砂と風だけがあった。吹き荒れる風の音は、悲しみと孤独の音楽を奏でていた。ここがこの女の世界なんだ。そして今、僕はここにいる。人間界に降り立った僕は、人ごみにまぎれていた。

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  6. 物語【風の匂い】第2話

    「君は誰なの?」と男の子が言うと、女の子は答えずにニコッと笑いました。女の子が笑うと小さく風が吹いて、海の匂いがしました。男の子は、夏休みにお父さんが連れて行ってくれた海水浴を思い出しました。

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  7. 物語【喝采】最終話

    今夜も日付が変わる頃になると客たちが集まり、店の中は上品な賑わいに満ちあふれた。グラスをかたむけながら語り合う紳士淑女、女性たちの軽やかな笑い声が店の空気を楽しげに揺らしている。しばらくすると、店のオーナーが客たちに静粛を求め、1人の歌い手が舞台に現れた。

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  8. 物語【風の匂い】第1話

    夕暮れ近く、学校帰りの男の子が1人、野原でぶらぶら道草をしています。遠くの街から引っ越しをしてきた男の子は、夏休み明けから新しい学校に通いだし、ちょっとずつ友だちも増えてきました。けれど、学校の帰り道、早くも吹き始めた秋風を感じると、ちょっと寂しい気持ちになります。

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  9. 物語【喝采】第3話

    そんなある日、もう日が暮れた頃、空き地で1人歌う女に声をかけるものがいた。声をかけてきたのはクラシックなスーツに身を包んだ上品な紳士で、この近くにある高級クラブのオーナーだと自己紹介をした。紳士は女の歌を賞賛し、自分の店の歌手として舞台に立たないか、と誘ってきたのだ。

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  10. 物語【喝采】第2話

    女が歌手を夢見てこの街へやってきたのは5年前。けれど、一人田舎からでてきて誰も知るものもいない女が歌手として成功するなど、一筋縄でいくわけがない。女は昼間は街のレストランでウェイトレスとして働きながら、夜になるとチャンスをつかもうといろいろな店を回った。

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