1. 物語【希望の歌】第6話

    箱の中はからっぽだった。希望の箱のふたを開けても、世界は何一つ変わらない。ただ、小さな箱から懐かしいような音楽が流れるだけだった。

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  2. 物語【希望の歌】第5話

    僕たちはすべての大人たちに集まってもらった。「魔の谷へ降りたのかい?」「言いつけを守らなくてごめんなさい。でも、僕たちは希望の箱を見つけたんだ!ほら、この箱の蓋を開けると、素晴らしい世界にかわるんだよ!」あ、その箱は…大人たちの空気が一瞬和らいだ。

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  3. 物語【good night】最終話

    ねえねえ聞いて、私の話。私の旅はもうすぐ終わる。私はここで眠ることにするわ。ここってどこ?って聞かれたら、それはこのカラスウリの花って答えるの。私にはたくさんの出会いがあった。優しさ、喜び、悲しみ、怒り、愛…たくさんの人からたくさんの光を受け取った。

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  4. 物語【希望の歌】第4話

    どれくらい進んだだろう?やがて僕たちは多分谷底の中心であろう、少し広い空間にたどり着いた。暗闇に慣れた目と、細々と燃え続けるたいまつの火を頼りにあたりを見回すと、ごろりと転がった大きな石の上に、小さな箱を見つけた。希望の箱。この箱を開くと悲しみに覆われた世界が変わる。

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  5. 物語【good night】第4話

    ある町で出会ったある人は、私に怒りを教えてくれたの。その人の火の玉みたいな怒りの光は、私の心の中にも炎を放った。私はその光を受け取ると、そのエネルギーを空に放ち、私自身を照らしたの。まるで身を焦がす真夏の太陽みたいに。

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  6. 物語【希望の歌】第3話

    魔の谷には絶対に行ってはいけない。小さな頃から大人達から厳しく言われていたけれど、鞄に数日分の水とパンを詰め込むと、僕と仲間たちは魔の谷へ向かった。長く険しい道を、ゴロゴロと転がる石に足を取られながら歩き続けた。

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  7. 物語【good night】第3話

    ある町で出会ったある人は、私に喜びを教えてくれたの。その人の虹色に輝く光で、私の心もワクワクした嬉しい気持ちでいっぱいになった。私はその光を受け取ると、くるりと一回りして自分の心にポーンと放り込んだわ。まるでダンスを踊るみたいに。

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  8. 物語【希望の歌】第2話

    僕は生まれた時からこの景色をみて育ったので、昔がどんなに素晴らしい世界だったのか知らない。だけど、誰もが笑顔を忘れたこの世界を、変えたいと思っていた。ある日、仲間の一人が言った。「夕べ大人たちが話しているのを聞いたんだけど、魔の谷には希望の箱っていうものがあるんだって。

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  9. 物語【good night】第2話

    ねえねえ聞いて、私の話。私はそれから旅をして、いろいろな人に出会ったわ。ある町で出会ったある人は、私に優しさを教えてくれたの。その人の優しさは暖かいオレンジをした光で、心細さで一杯だった私の心を癒してくれた。私はその光を受けとると、自分の心にそっとしまったわ。

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  10. 物語【希望の歌】第1話

    この地は悲しみに覆われていた。空は黒ずみ、木々の葉は落ちたまま緑に茂ることもなく、草花は枯れ果て、人々は絶望とともに生きていた。昔は良かった…。幼い頃に見た景色はどこへ行ってしまったんだろう。この世界には希望がない。

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