1. 物語【月夜のできごと】

    ある三日月がキレイな晩のことです。この家に住んでいる、パパとママとお嬢ちゃんと坊やはすやすやと夢の中。窓辺に置かれたママのお気に入りの瓶やグラスが、月明かりに照らされて薄い影を作っています。その瓶の間から、勝ち気そうな顔をした小さな小さな女の子がひょっこりと顔を出しました。

    続きを読む
  2. 物語【どこかで誰かが】

    月の綺麗な夜、もう真夜中になろうという頃のことです。ある街で1人の少女が寝つけずに夜空を見上げていました。少女は、昼間は通りのはずれのパン屋で、バターたっぷりのクロワッサンや甘い香りのジャムが乗ったデニッシュパンを売る仕事をして、この街で一人で暮らしています。

    続きを読む
  3. 物語【遠くへ行きたい】最終話

    ご主人様は浮き輪をつけて、果敢に波に飛び込みました。そして、海水と砂にまみれては、押し流されて波打ち際に転がっているのでした。

    続きを読む
  4. 物語【遠くへ行きたい】第3話

    ある暑い日、ご主人様は水着を着て海へ向かいました。もちろん私もお供しました。いつか遠くの国へ行こう、そう心に決めたご主人様は、泳いで海を渡るつもりか、水泳の練習を始めることにしたのです。カナヅチの小さな女の子が海で泳ぐだなんて、正気の沙汰ではありません。

    続きを読む
  5. 物語【遠くへ行きたい】第2話

    ご主人様はこのところ毎日が退屈でたまらないようです。夏休みだと言うのに友だちと遊ぼうともしないで、しょっちゅう世界地図を眺めています。友だちが夢中になっているゲームもテレビも、ご主人様にとってはどこかの大人が作った偽物の世界にすぎません。

    続きを読む
  6. 物語【遠くへ行きたい】第1話

    私の飼い主であるご主人様は、どちらかというと物静かな女の子です。ですが、負けん気が強いところがあって、時には学校でいじめっ子に立ち向かい、家ではお父さんに囲碁の勝負で負けては悔し涙を拭い、いつでも心の中に秘めた炎を燃やしているのです。

    続きを読む
  7. 物語【小さな灯】最終話

    小さな天使は、たくさんの明かりが消えてしまった暗闇の場所で、たった1本だけでも明かりを灯しているろうそくを見ると、健気さに胸を打たれました。そして、たった1本の明かりを励ますかのように、消えたろうそくに「希望」の明かりを灯してまわりました。

    続きを読む
  8. 物語【小さな灯】第4話

    小さな天使は少し考えてからこう答えました。「私が神様に天使にしていただく前、人間界にいたころのことを覚えているの。ずいぶんと短い間だったけれど、お父さんやお母さんに愛されて、たくさんの人たちが私を見守ってくれて、とても大切にしてもらったわ。

    続きを読む
  9. 物語【小さな灯】第3話

    ある日、疲れて一休みしている小さな天使のところに、友だちの天使が来て言いました。「人間って不思議だね。みんな幸せを願っているはずなのに、あっちでもこっちでも憎しみや争いばかり。いくら希望の明かりを灯してまわったって、すぐにろうそくの灯は消されてしまう。

    続きを読む
  10. 物語【小さな灯】第2話

    このろうそくの庭は、小さな天使が一人で見張り番をしていました。明かりが消えてしまったろうそくに、「希望」という灯をつけるのが天使の仕事です。

    続きを読む

「幸せを紡ぐ絵」無料メルマガ

↓ご登録はこちらをクリック

▽公式ラインはこちら

友だち追加

▽インスタはこちら

ページ上部へ戻る