【幸せを紡ぐ物語】

物語【遠くへ行きたい】最終話

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ご主人様は浮き輪をつけて、果敢に波に飛び込みました。
そして、海水と砂にまみれては、押し流されて波打ち際に転がっているのでした。

何度も何度も、海に飛び込んでは打ち返され、砂に転がり、水を飲み…
夕暮れの涼しい風が吹き始める頃になってやっと海から上がると、私に背中を向けたまま「帰ろう」といって疲れた足取りで歩き出しました。

私は砂だらけの後ろ姿を見て確信しました。
ご主人様はきっと将来、広い世界へ飛び立つでしょう。
その頃私はもうこの世にいないかもしれないけれど…、あなたはきっと何かを成し遂げる人になるでしょう。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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