幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【見知らぬ雨】最終話

    森の中の雪道のところどころ、茶色い地面が顔を出し、女の子の足跡は雪解けの土に包み込まれて消えていました。春がやってきたのです。背の高い木の上から、とけだした雪がバサリと音を立てて落ちました。木々の間から木漏れ日が差し込み、ここが約束の場所であることを告げています。

  2. 物語【見知らぬ雨】第3話

    春。女の子は咲き誇る花とともに歩きました。夏。太陽の力強い日差しを浴びると、歩き続ける勇気がみなぎりました。秋。色づいた木の葉たちは、季節が巡ることを告げてくれました。そして冬。女の子は降りしきる雪の中、静かに歩き続けました。

  3. 物語【見知らぬ雨】第2話

    女の子の鞄には小さな花の種が入っています。お母さんが大切に大切に育てていた花の種です。女の子は旅に疲れると足を止め、鞄から種が入った小さな包みを取り出し見つめました。女の子は歩き続けました。街を過ぎ、山を越え、谷をわたり…。

  4. 物語【見知らぬ雨】第1話

    ある街を、女の子が1人歩いていました。足もとの石畳は雨に濡れ、通りを行く人々は足早に家路を急いでいます。女の子にとっては初めて訪れる街。まるで降りしきる雨さえも、見知らぬ他人の顔をしているようです。女の子は身の回りのものが入った鞄を背負い直すと、冷えた手に息を吹きかけました。

  5. 物語【moonbow】最終話

    男の子が恥ずかしそうにうなづくと、女の子は聞きました。「なぜあなたはそんなに月虹を見たいの?」男の子はさらにドギマギして答えようかどうしようか迷いましたが、小さな声でこういいました。「だって、君が毎晩悲しそうにしているから。

  6. 物語【moonbow】第4話

    ある晩、公園の片隅で月に向かって祈る男の子に、女の子が声をかけました。「あなたはどうして毎晩月を見上げているの?」女の子は男の子が毎晩月に祈る姿を見ていたのです。男の子はドギマギしながら、月虹の話をしました。「そう、それは素敵なお話ね。でも、虹は雨が降ったあとにしか架からないわ。

  7. 物語【moonbow】第3話

    そんなある日、男の子は知り合いから月虹の話を聞きました。月虹とは、夜に月の光で架かる虹のことです。月虹をよく見ることができるハワイのマウイ島では、月虹を見た者には「幸せが訪れる」と言う伝説があるということでした。男の子は女の子に月虹を見せてあげたいと思いました。

  8. 物語【moonbow】第2話

    次の晩も、その次の晩も、男の子は公園を通りました。あの女の子のことが気になって仕方がなかったのです。女の子はいつも悲しそうに公園のベンチに座っていました。

  9. 物語【moonbow】第1話

    ある晩のこと、男の子が公園を歩いていると、女の子が寂しそうにベンチに座っていました。頼りなげな細い肩が月明かりに照らされています。男の子はその姿が気にかかりましたが、声を掛けることなくそっと通り過ぎました。次の晩、男の子が公園を通ると、またあの女の子がベンチに座っていました。

  10. 物語【ミズキンバイ】最終話

    ミズキンバイの妖精は二人の願いを聞き入れ、ずっとお城の庭で暮らしました。カエルの王様と王妃様はミズキンバイの妖精を、まるで自分たちの子どものようにかわいがりました。カエルの王様と王妃様のお城の庭は、ミズキンバイでいっぱいになりました。

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