【幸せを紡ぐ物語】

物語【見知らぬ雨】最終話

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森の中の雪道のところどころ、茶色い地面が顔を出し、女の子の足跡は雪解けの土に包み込まれて消えていました。
春がやってきたのです。
背の高い木の上から、とけだした雪がバサリと音を立てて落ちました。

木々の間から木漏れ日が差し込み、ここが約束の場所であることを告げています。
女の子はふと立ち止まり、鞄からお母さんが大切に育てていた花の種をとり出すと、雪解けの土に埋めました。
顔を上げると、真冬の冷たさとは違う柔らかい風が頬を撫ぜました。
その風はまるでお母さんの手のような、優しいぬくもりがありました。

女の子は立ち上がり、新しい季節の中をまた、歩き続けて行きました。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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