幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【夜明け】最終話

    しばらくすると、すっかり葉が落ちた木々の向こう、太陽の光がかすかに空を照らし、雪の上に透き通った影を作り始めました。新しい雪、新しい足跡、新しい太陽、新しい1日、新しい希望…すべてが新しい、夜明け。凍えた指先に、昇り始めた太陽のかすかな光さえも暖かく感じられます。

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  2. 物語【candle in the wind】最終話

    「さあ、今から僕はこの世界でやるべき仕事をすることにするよ。君の心にもう一度恋の炎を灯そう。」そういってその人は小さなキャンドルを出して、火をつけた。「君はまた恋をするだろう。

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  3. 物語【ミズキンバイ】第1話

    あるところに、カエルの王様と王妃様がいました。王様と王妃様には子どもがなく、とても寂しく思っていました。ある日のこと、王様と王妃様がいつものように散歩に出かけると、草影で小さなミズキンバイの妖精が倒れていました。ミズキンバイという植物は地面を這うように広がって生えています。

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  4. 物語【夜明け】第2話

    あるとても寒い晩、もうすぐ夜が明ける頃、少女はそっと家の外に出ました。雪は宵のうちに止み、降り積もった雪が淡く光り輝いています。見上げると、空にはまだ冬の夜を彩る星たちが輝いていました。「お母さん、いってきます。私、神様のご褒美が何か知りたいの。

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  5. 物語【candle in the wind】第5話

    「苦しいかい?」「はい、苦しいです。私にとっては彼への思いは永遠だった…」永遠の愛のはずだった。そう思いたいのだろう。「忘れられるのでしょうか」「忘れなくてもいいんだよ。時の流れというのは優しいものだ。いつか彼との思い出も、穏やかな気持ちで思い出せる時がくる。

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  6. 物語【in blue】最終話

    途切れない日常と非日常。海の底の透明感と静けさの中で漂う人魚は、日常も非日常も知りません。濁った海面から見るあの人は、なぜ恋人を失ってまで働くのでしょう。涙も一時のドラマも、何もなかったかのように海はさざめいています。

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  7. 物語【夜明け】第1話

    山のふもとの村に住む少女は、冬のあいだ夜になるとお母さんの針仕事を手伝います。少女のお父さんは町へ仕事に出かけ、春になるまで帰ってきません。ある晩、お母さんが針仕事をしながらこんな話をしてくれました。「この村にはね、昔からの言い伝えがあるのよ。

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  8. 物語【candle in the wind】第4話

    私はその晩夢を見た。このところ、決まって明け方に泣きながら目を覚ましていたけれど、見た夢は覚えていなかった。だけど、その晩の夢は鮮明に心に残るものだった。私は荒れ果てた荒野のような、見渡す限りの灰色の世界で冷たい風に吹かれていた。感じるのはただ孤独だけ。

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  9. 物語【candle in the wind】第3話

    僕はその女の心の中に入り込んでいた。そうか、この女は恋人と別れたのだな。たかが恋をなくしただけ、というわけではないのだろう。この女の無垢なる魂は金色の輝きを放っていると言うのに、心の中の情熱の火はすっかり消えてしまったようだ。人間の感情と言うのはやっかいなものだ。

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  10. 物語【in blue】第3話

    ある日人魚が公園を見ると、いつも男性が休んでいるベンチに女の人が座っていました。しばらくすると高層ビルからあの男性が出てきて、その女の人と何か話し込んでいます。「あの人の恋人だわ」人魚はちょっぴり胸が痛みました。

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