幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【黄色いバラ】第1話

    このカフェの名前は「黄色いバラ」。とびきりオシャレ、というわけでもなく、町の喫茶店、と言うほうがあっている、でもどこか雰囲気のある佇まい、そんなお店です。バラの季節には毎年黄色いバラがテーブルを彩り、いつもよりちょっぴりお店が華やぎます。あるバラの季節のできごとです。

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  2. 物語【祝福】第2話

    父さんは僕に手紙を残していた。その手紙には僕を勇気づける言葉と、僕に守って欲しいと言う約束が3つ書いてあった。1つ目は「言葉と文字を忘れないこと」2つ目は「助けを求める努力を続けること」3つ目は「父さんを捜さないこと」僕は1つだけ約束を守らなかった。

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  3. 物語【日傘】最終話

    閉じ切ったままの窓に顔を寄せ、吹き荒れる雨風の中を悠然と歩いていくあの人の姿を見つめた。一瞬強い風が吹き、竹林がざわっと揺れ、笹の葉が舞い散った。あの人はよろめき立ち止まったけれど、額に張り付いた笹の葉をさっと払いのけると、何事もなかったかのように歩き去って行った。

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  4. 物語【ともだち】最終話

    女の子と犬は並んで座り、しばらくの間、木々の間をそよそよと流れる風に吹かれていました。「とても不安だわ。私、今まであなた以外の友だちはいないんだもの」女の子はそういうとぎゅっと膝を抱え、犬の方を見ました。「だからこそお父さんとお母さんは君を学校へ行かせようと考えたんだ。

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  5. 物語【祝福】第1話

    この無人島で、僕は育った。僕の他に人間はいなかったので、もう何年も誰かと話した記憶もなかったけれど、それが普通だった。僕が子どもの頃は「父さん」と言う人がいて、僕の面倒を見てくれて、生きていくためのさまざまなことを教えてくれた。

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  6. 物語【日傘】第2話

    この数ヶ月の間、開いたことがないこの部屋の窓から見ると、向こうの竹林の緑の爽やかさと合間って、まるで暑い気配は感じられない。でも、この日差しの強さからすれば、真夏の太陽は容赦ないはずだ。この部屋からは、季節さえ忘れ去られている。その日は朝から強い風雨が吹き荒れていた。

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  7. 物語【ともだち】第3話

    お父さんとの話を終えると、女の子はすぐに犬のところへ行きました。「私、来月から町の学校へいくんだって。あなたと離れ離れになってしまうわ」落ち着いた様子で犬が尋ねました「ずっと帰ってこないの?」「きっと長い休みには帰ってこれると思うけど…」「それなら心配することないじゃないか。

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  8. 物語【girls garden】最終話

    またある日、森へ迷い込んだ子どもが、その木のところへたどり着きました。子どもは愛を求め、誰かのぬくもりを必要としていました。涙を流しながら木を見上げる子どもの前に二人の少女が現れ、少女の一人が木の葉を一枚取ると、子どもに差しだしました。

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  9. 物語【日傘】第1話

    いつもの時間、もう数ヶ月も閉じたままの窓から、外を覗く。小さな裏庭の低い垣根の向こうを、あの人が通り過ぎて行く。彼女の背景を彩る、通りを挟んだ竹林の竹のように、いつでもすうっと背筋を伸ばしまっすぐに前を向いて歩いていく。こちらに目を向けることはない。

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  10. 物語【ともだち】第2話

    ある日、お父さんが女の子を呼んで、あらたまった顔をして話しをしました。「お前は来月から町の学校へ行くんだよ。ここから通うのは無理だから、学校の寄宿舎で暮らす手配をしたよ」女の子は驚いてお父さんの顔をみました。「お前が山の暮らしを大好きなことは知っている。

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