【幸せを紡ぐ物語】

物語【見知らぬ雨】第2話

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女の子の鞄には小さな花の種が入っています。
お母さんが大切に大切に育てていた花の種です。
女の子は旅に疲れると足を止め、鞄から種が入った小さな包みを取り出し見つめました。

女の子は歩き続けました。
街を過ぎ、山を越え、谷をわたり…。
輝く太陽の下を、嵐のような風の中を、そよ吹く風に髪をなびかせ、時には冷たい雨に打たれ。

ある夜は出会った友と語らい、朝には新しい別れに胸を痛めました。
体いっぱいに自由を感じ、また、一人の淋しさに打ち震える時もありました。

…第3話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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