【幸せを紡ぐ物語】

物語【夜の風に吹かれて】第1話

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星が輝く夜空の下、ピューピューと風が吹いていた。
この町は人っ子一人見当たらず、どうやらゴーストタウンのようだ。
立ち並ぶ家や店に明かりはなく、澄んだ空の星明かりだけがあたりを照らしていた。
半分壊れかけた建物の間を、ゴミや枯れた草が風に吹かれて、生き物のように飛んで行った。

小さな町のようだが、いつからゴーストタウンになったのだろう?
わずかな食べ物でも残っていないだろうか。
誰もいない町の様子はゾッとするものだったけれど、このところろくに食べ物を口にしていない私は、恐怖心よりも空腹のほうがはるかに勝っていた。

…第2話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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