幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【日傘】第2話

    この数ヶ月の間、開いたことがないこの部屋の窓から見ると、向こうの竹林の緑の爽やかさと合間って、まるで暑い気配は感じられない。でも、この日差しの強さからすれば、真夏の太陽は容赦ないはずだ。この部屋からは、季節さえ忘れ去られている。その日は朝から強い風雨が吹き荒れていた。

  2. 物語【ともだち】第2話

    ある日、お父さんが女の子を呼んで、あらたまった顔をして話しをしました。「お前は来月から町の学校へ行くんだよ。ここから通うのは無理だから、学校の寄宿舎で暮らす手配をしたよ」女の子は驚いてお父さんの顔をみました。「お前が山の暮らしを大好きなことは知っている。

  3. 物語【girls garden】第2話

    ある日、森へ迷い込んだ若者が、その木のところへたどり着きました。若者は苦しみと言う重い荷物を背負い、疲れ果てていました。ぼんやりと木を見上げる若者の前に二人の少女が現れ、少女の一人が木の葉を一枚取ると、若者に差し出しました。

  4. 物語【日傘】第1話

    いつもの時間、もう数ヶ月も閉じたままの窓から、外を覗く。小さな裏庭の低い垣根の向こうを、あの人が通り過ぎて行く。彼女の背景を彩る、通りを挟んだ竹林の竹のように、いつでもすうっと背筋を伸ばしまっすぐに前を向いて歩いていく。こちらに目を向けることはない。

  5. 物語【ともだち】第1話

    ある山の上の小さな山小屋に、お父さんとお母さんと女の子が住んでいました。女の子の一家は、やぎの乳から作った美味しいチーズや、お母さんが焼いた味わい深いパンを街へ売りに行ったり、旅の宿として泊まっていく旅人のお世話をして生活をしていました。女の子は山の暮らしが大好きでした。

  6. 物語【girls garden】第1話

    うっそうと木が立ち並んだ暗い森の奥深く、木々の作る暗闇から解放された明るい場所がありました。その場所は、暗い舞台の上でまるでそこだけスポットライトがあたっているかのように、1年中光に満たされていました。

  7. 物語【citrus】最終話

    夕方、最後のフェリーが出る時間がやってきた。僕は思わず「この島に住んじゃおうかな」とつぶやいた。女の人は僕のほうを見ずに、ただ海だけを見ながら言った。「この島は死人が住むところじゃないわ。生きた人間が住むところよ。

  8. 物語【春を待つ日】最終話

    「一度自分の故郷へ帰ろうと思う。この国と違って気候が良くて住みやすい国だよ。でも、僕自身が住み難くしていたんだ」故郷で何かあったのだろう、と思ったけれど私は尋ねませんでした。「どんなに住み心地の良い場所でも、楽しむ心がないとダメだと君とこの国の人たちに教えてもらったよ。

  9. 物語【夜の風に吹かれて】最終話

    「あなたはたった1人でこの畑を?」「野菜を育てる暮らしが私の夢だったからね。景気が良い大きな町へ引っ越して行ったこの町の者たちは、私を偏屈な男だと笑ったよ。でも1人ではなかった。妻が一緒に残って私の夢につきあってくれたんだ」老人は嬉しそうにニッコリと笑った。

  10. 物語【citrus】第2話

    爽やかで甘酸っぱい香りにひかれた僕は、ジューススタンドで冷たいオレンジ色のジュースを買った。ジュースを一気に飲み干す僕の顔を見て、女の人が言った。「まるで死人のような顔をしているわ。船酔いしたの?」「大丈夫です。

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