幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【恋人】第1話

    私の愛は砂のようです。無数にあるのに、すくい取ろうとしても指の間から滑り落ち、手のひらには一粒も残らない。サラサラとかすかな音を立て、風に舞って消えていきます。ある日、私はあなたと出会いました。

  2. 物語【happy moon】第2話

    「さあ、仲直りの魔法をかけてあげよう」羽の生えた男の子が手のひらを広げてふうっと息を吹きかけると、月の下に広がる街に、一枚の黄金の羽根が舞い降りました。黄金の羽根は公園の恋人たちのもとに届くと、2人の頭の上で淡雪のように消えました。喧嘩をしていた恋人たちは、ふとお互いの顔を見ました。

  3. 物語【シャボン玉】第2話

    こんにちは。私は空です。いつもあなたを見ています。晴れた日も曇りの日も雨の日も、毎日を丁寧に生きるあなたをいつも見ています。あなたは毎朝起きるとすぐに窓を開け、私に「おはよう」とあいさつをしてくれますね。

  4. 物語【羽ばたく】最終話

    「他の鳥と同じものは与えられなかったけれど、あなたは今、自分の力で生きています。ちゃんと生きると言う役目を果たしています。」涙を流して天使を見つめる白い鳥に、天使はニッコリと微笑みかけました。

  5. 物語【happy moon】第1話

    都会の夜空、今夜は特別魅力的な三日月が輝いています。その三日月に仲良く腰をかける小さな影が二つ…。夜の街を見下ろしながら、羽が生えた男の子と女の子が楽しげにおしゃべりをしています。2人はふと、街の真ん中にある小さな公園に目を留めました。「ねえ、見て。あの公園にいる恋人たち。

  6. 物語【シャボン玉】第1話

    「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」今日もまたあの夢を見ました。1ヶ月に1度、必ず見る夢。どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。見上げる上空には青い空が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。

  7. 物語【羽ばたく】第5話

    「他の鳥たちが当然のように羽ばたく姿を見て、さぞ辛い思いをしてきたでしょう」天使は優しく白い鳥をねぎらいました。「はい、天使さま。私は大空を羽ばたくことに憧れて生きてきました。他の鳥たちを見ては、なぜ自分だけが?といつも悲しみに暮れていました」「鳥よ。

  8. 物語【ガーベラ】最終話

    悲しい気持ちで下を向いていた私を、お花屋さんがバケツから救い上げ、手早く新聞に包みました。私はお花屋さんのお家に飾られました。少ししおれてきてしまった私だけど、お花屋さんは私を特別素敵な花瓶に生けてくれました。そして、食卓の真ん中の特等席に飾り、愛情のこもった目で私をながめました。

  9. 物語【ハナキリン】最終話

    次の朝、目覚めたお姫様がお城の窓から外を見ると、そこにはもう立ち並ぶハナキリンはありませんでした。いつも見慣れたハナキリンの変わりに、お城の門の前にはまっすぐな道が伸びているのが見えました。

  10. 物語【羽ばたく】第4話

    白い鳥は、天使のやり取りを静かに聞いていました。「白い鳥よ。鳥が飛ぶのは生きるためです。魚たちが泳ぐのも花たちが咲き乱れるのも、生きるためです。そして白い鳥よ、あなたは今生きています。ちゃんと自分の役目をまっとうしているではありませんか。

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