【幸せを紡ぐ物語】
10.52022
物語【ひなたぼっこ】最終話
おばあさんは、おじいさんとの思い出がたっぷり詰まったこの庭が大好きなのです。
「空耳かねぇ。小さな子どもの歌声も聞こえるようだ。きっとどこかで子どもが遊んでいるのだろう」
息子さんはそう独り言のようにつぶやくと、おばあさんが入れてくれた2杯目の紅茶を口に運びました。
そんな息子さんも、なんだか心地よい音楽が聞こえる不思議な庭で、お日様の光を浴び、植物の香りが混ざった澄んだ空気を深呼吸すると、草ぼうぼうも悪くないかなあ、と思うのでした。
赤いずきんの女の子は、ツルの上でゆらゆらひなたぼっこをしながら、小さく歌を口ずさんでいます。
おばあさんと息子さんは草ぼうぼうの庭を眺めながら、ひなたぼっこをしています。
心の中までぽかぽかになるひなたぼっこです。
終わり
〈絵と文/松本圭〉
☆お読みいただきありがとうございました☆
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