ひなたぼっこ
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物語【ひなたぼっこ】最終話
おばあさんは、おじいさんとの思い出がたっぷり詰まったこの庭が大好きなのです。「空耳かねぇ。小さな子どもの歌声も聞こえるようだ。きっとどこかで子どもが遊んでいるのだろう」息子さんはそう独り言のようにつぶやくと、おばあさんが入れてくれた2杯目の紅茶を口に運びました。
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物語【ひなたぼっこ】第3話
長く伸びたツルは、金の鈴の実をつける不思議な植物。草花が咲き乱れる地面から、1本だけ悠々と空へ伸びています。りんりんりん…時々風に揺られて、ツルについた鈴たちが小さな音楽を奏で、女の子は鈴の音に合わせて歌を口ずさみます。
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物語【ひなたぼっこ】第2話
りんりんりん…おばあさんと一緒にティータイムを過ごしている息子さんの耳に、どこからか小さな鈴の音が聞こえました。「母さん、今、庭から鈴の音がしなかったかい?」おばあさんは「さあ、私には何も聞こえなかったよ。きっと空耳だろうよ。」と言って紅茶をすすりました。
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物語【ひなたぼっこ】第1話
おじいさんが亡くなってから、おばあさんは小さなお家に一人で暮らしています。おばあさんの家の庭はいつでも草がぼうぼうで、雑草だらけです。春になると息子さんがやってきては庭の手入れを申し出てくれるけど、おばあさんは「いいから、いいから。
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