【幸せを紡ぐ物語】

物語【ひなたぼっこ】第3話

hinatabokko

長く伸びたツルは、金の鈴の実をつける不思議な植物。
草花が咲き乱れる地面から、1本だけ悠々と空へ伸びています。
りんりんりん…
時々風に揺られて、ツルについた鈴たちが小さな音楽を奏で、女の子は鈴の音に合わせて歌を口ずさみます。

おばあさんの家の庭では、春になって雑草が伸びて草ぼうぼうになると、鈴の音に合わせて可愛らしい女の子の歌声が聞こえるのです。
女の子が口ずさむのは、不思議なことに亡くなったおじいさんが大好きだったあの歌。
おばあさんは「おやまあ、この庭の音楽隊はおじいさんのことをご存知なのね」と、不思議に思いながら、春の庭から流れる歌声を楽しむのでした。

…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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