【幸せを紡ぐ物語】

物語【ひなたぼっこ】第2話

hinatabokko

りんりんりん…
おばあさんと一緒にティータイムを過ごしている息子さんの耳に、どこからか小さな鈴の音が聞こえました。
「母さん、今、庭から鈴の音がしなかったかい?」
おばあさんは
「さあ、私には何も聞こえなかったよ。きっと空耳だろうよ。」
と言って紅茶をすすりました。
息子さんは不思議に思いながら庭を見渡しまたが、ぼうぼうの雑草以外何も見えません。

そんな草ぼうぼうのおばあさんの庭のすみっこ、1本だけ長いツルが伸びています。
そのツルの先っぽには、赤いずきんに赤いコート、赤いブーツの小さな小さな女の子が座っていました。
ぶらりぶらり揺れるツルはまるでブランコみたい、女の子はお日様の光を浴びながら、ツルの上でゆらゆらひなたぼっこをしています。

…第3話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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