幸せを紡ぐ物語

物語【朝の仕事】第1話

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洗ったばかりの白いシャツやシーツをパンパン!と気持ちよく広げて物干しに干し、これから高くなるお日様に託します。
朝の洗濯と、夕食のためにお米を洗ってご飯を炊いておくのが私の仕事。

私より早くに家を出て会社へ行くお父さんが、
「じゃあ、頼んだよ。戸締りしっかりな。」
と言って出かけて行きました。
洗濯物を干し終わると、私も学校へ行く時間です。

私のクラスの教室は校舎の3階で、窓際の私の席は空が見渡せる特等席です。
校庭に目を向けると、1年生が初めての運動会の練習をしています。
朝は気持ち良い青空だった空は、4時間目の頃にはうっすらと雲がでてきて、お天気が怪しくなってきました。
夕方まで持つといいなあ、と朝干した洗濯物のことをぼんやり思い浮かべながら、私は窓の外を眺めていました。
ふと視線を感じて前を向くと、ゆうこ先生がこちらを見ていて「こら!」と言う風に鼻にしわを寄せました。

昼休み、ゆうこ先生に呼ばれて職員室へ行きました。
「今度の土曜日の運動会だけど、お父さん来られるのかしら?」
「はい、多分」
「そう、それならよかったわね。土曜日に会社へ行くことが多いって伺っていたから」
そう、お父さんは夜遅い時間に私を1人にしないように、平日は遅くまで残業をしないようにしてくれているのです。
でも、私がリレーの選手に選ばれて、「運動会には絶対行くぞ」って言ってくれていました。

…第2話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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