朝の仕事
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物語【朝の仕事】最終話
私は歯を食いしばって両足に目一杯の力を込めて走りました。ちょっと前を走る相手をわずかに抜き去ると、私はアンカーにバトンを手渡しました。閉会式が終わり、荷物を持って校門を出るとお父さんが待っていました。「ごめんな。仕事がなかなか終わらなくて。
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物語【朝の仕事】第4話
だけど、みんなで囲むお弁当の輪の中に、私のお父さんはいません。私はなんだか食欲がわかなくて「しっかり食べないと午後から走れないわよ、リレーの選手でしょう?」と先生に背中をポンと叩かれました。
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物語【朝の仕事】第3話
お父さんはお弁当の時間になっても来ませんでした。ゆうこ先生が「お父さんからお電話があったわよ。お仕事が長引いているんだって。あなたの分のお弁当も用意してあるから、先生と一緒に食べましょうね。」と言ってにっこり笑いました。
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物語【朝の仕事】第2話
土曜日の朝、お父さんはやけに早く起きたようです。ごそごそと人が動く物音で目が覚め、「お弁当作ってくれるのかなあ…、コンビニのお弁当でもいいのに…」と、寝ぼけた頭でぼんやり思いながら、嬉しい気持ちがこみ上げてきました。今年の運動会はお父さんが見に来てくれる。
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物語【朝の仕事】第1話
洗ったばかりの白いシャツやシーツをパンパン!と気持ちよく広げて物干しに干し、これから高くなるお日様に託します。朝の洗濯と、夕食のためにお米を洗ってご飯を炊いておくのが私の仕事。私より早くに家を出て会社へ行くお父さんが、「じゃあ、頼んだよ。戸締りしっかりな。
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