【幸せを紡ぐ物語】

物語【恋人】第2話

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あきらめることなく両手を広げるあなたと、儚く消えていくゆく砂。
一粒の砂さえも残らないあなたの手のひらを見て、私は時折悲しみの涙を流しました。
その涙に濡れた砂は黒い小さな塊になり、あなたはそれを拾うと大切そうに胸のポケットにしまいました。

ある日、あなたは呆然と立ち尽くしていました。
あなたの周りは、指の間から滑り落ちた乾いた砂で埋まり、あなたはその真ん中でただ一人、無力感と戦っていました。

いくら受け止めようとしても、指の間から消え続けて行く砂。
あなたの瞳から希望の光が消えかけていました。

…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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