そんなあなたの姿に、まるで暗闇に光が差し込むかのように愛おしさがこみ上げ、私の頬をあたたかい涙がつたいました。私は、砂に足をとられながら、立ち尽くすあなたのもとへ駆け寄りました。手のひらから滑り落ち、あなたのまわりを埋め尽くした砂、それは私の愛です。
あきらめることなく両手を広げるあなたと、儚く消えていくゆく砂。一粒の砂さえも残らないあなたの手のひらを見て、私は時折悲しみの涙を流しました。その涙に濡れた砂は黒い小さな塊になり、あなたはそれを拾うと大切そうに胸のポケットにしまいました。ある日、あなたは呆然と立ち尽くしていました。
私の愛は砂のようです。無数にあるのに、すくい取ろうとしても指の間から滑り落ち、手のひらには一粒も残らない。サラサラとかすかな音を立て、風に舞って消えていきます。ある日、私はあなたと出会いました。
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