【幸せを紡ぐ物語】

物語【風の匂い】第1話

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夕暮れ近く、学校帰りの男の子が1人、野原でぶらぶら道草をしています。

遠くの街から引っ越しをしてきた男の子は、夏休み明けから新しい学校に通いだし、ちょっとずつ友だちも増えてきました。
けれど、学校の帰り道、早くも吹き始めた秋風を感じると、ちょっと寂しい気持ちになります。
街の学校だったら…まだまだ残暑が厳しくて、夏は終わっていない頃でしょう。
そして、一番の仲良しだったのに喧嘩したまま別れてしまったケンタのことを思い出し、胸がキュンと痛むのです。
喧嘩の原因も忘れてしまったけど、「悪いのは僕じゃなくてケンタだ」と思うと、仲直りすることができませんでした。

「悪いのはケンタだ!」そうつぶやいて小石を蹴ると、小石はコツンと音を立てて大きな木にあたりました。
すると、木の向こうから、女の子がひょこっと顔を出しました。
短い髪の毛が風に吹かれたみたいに飛び跳ねている、ちょっと不思議な感じの女の子です。
「こんにちは」と女の子が言うと、なぜだか懐かしいような風が吹いて、男の子は胸がキュンと痛みました。

…第2話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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