【幸せを紡ぐ物語】

物語【stand alone】

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私は旅をしていました。
長い長い暗闇の中を一人歩く旅です。

光り輝く星が見えるでしょうか。
私にはまだ見えません。
私はどこへ向かえばいいのでしょうか。
西か東か、今はそれさえもわかりません。

誰かが空を指し示し「ほら、あれがあなたの目指す星だよ」と、教えてくれたらいいのに。

疲れきった私は洞窟で休みました。
孤独と疲労の中で、こんな夜が永遠に続くのかと思いました。
私に終わりのときがくるまで…。

小さなたき火のぼんやりとしたの光の中で、眠りについた私は夢を見ました。
夢の中で私は鳥になり、空の上から砂漠の景色を見下ろしています。
夕暮れの迫った空はどこまでもどこまでも見渡す限りのバラ色。
砂漠の砂も空の色を映し、バラ色に染まり、私の足跡だけが崖にそって点々と濃い影を落としていました。

ふと目が覚めて、私は気がつきました。
きっともう、星は現れているのでしょう。

足下の砂にばかり気を取られ、心の中で星を探し求め続けていたけれど、見上げれば空にはいつも満点の星空が輝いていたのです。
この空に輝く星のすべてが、私の目指す星。
私はすべての真ん中にいて、どこへ向かって歩き出そうと、目指す世界へ導いてくれるのです。

今、たった一つの星を探し求めた旅は終わりました。
私を導く星たちは、私の気づきとともに消え、朝の気配が近づいています。

この夜が明けたら、どんな新しい1日が始まるのでしょう。
終わりの見えない暗く長い旅の景色だった砂漠が、どんな輝きを持って私をむかえてくれるのでしょう。

今はただ朝の訪れを待つだけ。
希望を胸に抱いて。

stand alone、光とともに…。

終わり〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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