幸せを紡ぐ物語

物語【夏の終わり】最終話

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もう夏が終わろうというある日、私が海の見える丘へ行くと、女の人はいませんでした。
いつも2人で並んで海を見た木陰はただ風が吹き抜け、ざわざわと木の葉たちが揺れています。
約束をしているわけでもないし、いつも会うわけではなかったけれど、妙な胸騒ぎを覚えて私は辺りを見回しました。

木陰の木の枝に、女の人のネックレスがぶら下がっているのが目に入りました。
ネックレスを手に取った私は、女の人がもうこの島にいないことを知りました。

ふと海の向こうに目をやると、よく晴れ渡った空の向こう、対岸の街が陽炎のように揺れています。
丘の片隅では早咲きのコスモスが揺れ、気の早い夏の終わりを告げていました。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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