【幸せを紡ぐ物語】

物語【夏の終わり】第2話

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ある夏のこと、一日一度の船便に乗って一人の女の人が島へ降り立ち、暮らし始めました。
ときおり物好きな旅人がやってくるけれど、この島へ外からの人が住み着くことは滅多にありません。
島の人たちは戸惑い、女の人とは距離を置くように過ごしていました。

ある日、私がいつものように小高い丘へ行くと、その女の人が座って海を眺めていました。
涼しげなサマードレスを着て、首には小さな石が連なったネックレス、島の女性たちなら気にもとめない日焼けを気にしているのか、白い日傘をさしていました。

その人は私に向かってにっこりと微笑みました。
私は思いがけないできことに胸がドキドキしましたが、その人の人懐っこい笑顔に思わず微笑み返しました。
そして私たちは友達になりました。

…第3話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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