【幸せを紡ぐ物語】

物語【in blue】第3話

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ある日人魚が公園を見ると、いつも男性が休んでいるベンチに女の人が座っていました。
しばらくすると高層ビルからあの男性が出てきて、その女の人と何か話し込んでいます。
「あの人の恋人だわ」
人魚はちょっぴり胸が痛みました。
やがて、陸からはなれた人魚のところまで「ドン」という音が聞こえそうな勢いで、女の人が男性の胸を突き、そのまま走って行ってしまいました。

男性はしばらく立ち尽くした後、いつものベンチに座り無表情に海を眺めています。
人魚は海の泡を手ですくい、ふうっと息を吹きかけました。
海の泡は風に乗って男性のところまで飛んで行き、ぱちんとはじけました。

潮の香りの風が優しく男性の頬を撫ぜました。

…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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