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物語【citrus】第2話
爽やかで甘酸っぱい香りにひかれた僕は、ジューススタンドで冷たいオレンジ色のジュースを買った。ジュースを一気に飲み干す僕の顔を見て、女の人が言った。「まるで死人のような顔をしているわ。船酔いしたの?」「大丈夫です。
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物語【citrus】第1話
島まで約30分の船旅。甲板で風に吹かれながら、1年前のことを思い返していた。1年前の僕は、人生に疲れて、人生をあきらめていた。ある朝荷物をリュックに詰め込むと、誰にも何も言わずに、一人暮らしのアパートをあとにした。
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物語【シャボン玉】最終話
「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」今日もまたあの夢を見ました。1ヶ月に1度、必ず見る夢。どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。見上げる上空には青い色が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。
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物語【シャボン玉】第4話
こんばんは。私は星です。いつもあなたを見ています。暗くなった道、仕事を終えて家路を急ぐあなたを、いつも見ています。あなたは一日が無事に終わったことに感謝しながら、私に「ありがとう」と言ってくれますね。
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物語【シャボン玉】第3話
こんにちは。私は風です。いつもあなたを見ています。春に吹くそよ風も、夏に吹くさわやかな風も、秋に吹く優しい風も、冬に吹くひんやりした風も、いつもあなたを見ています。そよ風の中を歩くあなたは、いつも鼻歌まじり。季節の移り変わりを告げる風に、人生を愛おしむ。
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