幸せを紡ぐ物語

物語【遠くへ行きたい】第3話

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ある暑い日、ご主人様は水着を着て海へ向かいました。
もちろん私もお供しました。

いつか遠くの国へ行こう、そう心に決めたご主人様は、泳いで海を渡るつもりか、水泳の練習を始めることにしたのです。
カナヅチの小さな女の子が海で泳ぐだなんて、正気の沙汰ではありません。

寂れた海辺の町から歩いて行ける浜辺は、夏だと言うのに静かです。
今日は特に平日だからか、浜辺に人は見当たりません。
海の水は青く澄んで、波はまるで生き物のように動いていました。

いつもは心癒される波の音も、今日に限っては私の心を不安にさせます。
私はもしもご主人様が溺れたら、命にかけて助けようと心に決めて見守っていました。

…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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