【幸せを紡ぐ物語】

物語【ともだち】最終話

tomodathi

女の子と犬は並んで座り、しばらくの間、木々の間をそよそよと流れる風に吹かれていました。
「とても不安だわ。私、今まであなた以外の友だちはいないんだもの」
女の子はそういうとぎゅっと膝を抱え、犬の方を見ました。

「だからこそお父さんとお母さんは君を学校へ行かせようと考えたんだ。わかるよね」
そう言うと犬は前足を軽くあげました。
女の子は小さくうなづくと犬の前足をそっと握りました。
「大丈夫だよ。君のこの手は、これから僕以外のたくさんのぬくもりに触れながら、どんどん大きくなっていくんだ」

次の朝、お父さんに連れられて女の子は山を下りて行きました。
振り返らずに歩いて行く女の子の小さな後ろ姿を、犬はいつまでも見送っていました。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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