【幸せを紡ぐ物語】&【創作レッスン】
6.182026
【物語】シャボン玉

About story
ひと月に一度見る夢。
夢の中の誰かは、いつも私に語りかけ、私を見守ってくれています。
Story
「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」
今日もまたあの夢を見ました。
1ヶ月に1度、必ず見る夢。
どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。
見上げる上空には青い空が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。
目覚めるといつも私の頬には涙がこぼれていました。
今朝もあの夢を見て目覚めました。
いつも涙とともに目覚めるのだけれど、あの夢を見た朝の私の心は穏やかです。
・
こんにちは。私は空です。
いつもあなたを見ています。
晴れた日も曇りの日も雨の日も、毎日を丁寧に生きるあなたをいつも見ています。
あなたは毎朝起きるとすぐに窓を開け、私に「おはよう」とあいさつをしてくれますね。
晴れた日には晴れやかな笑顔で、
曇りの日も暖かな心で、
雨の日もまた良きことと受け止めて、
空を見あげて「おはよう」とあいさつをしてくれるあなた。
私もあなたに「おはよう」と応えています。
・
こんにちは。私は風です。
いつもあなたを見ています。
春に吹くそよ風も、夏に吹くさわやかな風も、秋に吹く優しい風も、冬に吹くひんやりした風も、いつもあなたを見ています。
そよ風の中を歩くあなたは、いつも鼻歌まじり。
季節の移り変わりを告げる風に、人生を愛おしむ。
強い風の日には、あなたは子どもみたいにはしゃいで、心の中で密かに歓声を上げていますね。
あなたが歓びとともにいる時、私はあなたとともに歓んでいます。
・
こんばんは。私は星です。
いつもあなたを見ています。
暗くなった道、仕事を終えて家路を急ぐあなたを、いつも見ています。
あなたは一日が無事に終わったことに感謝しながら、私に「ありがとう」と言ってくれますね。
今日あった良いことを数え、
今日あった悲しみに別れを告げ、
今日出会った人々の顔を思い浮かべて…。
あなたが私を見上げて誰かの幸せを願う時、私はあなたのために祈っています。
・
「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」
今日もまたあの夢を見ました。
1ヶ月に1度、必ず見る夢。
どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。
見上げる上空には青い色が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。
目覚めるといつものように私の頬には涙がこぼれていました。
今日も窓を開けると青い空がありました。
そして、爽やかな風が吹いていました。
夜にはきっと星が輝くことでしょう。
終わり
〈絵と文/松本圭・物語制作2015年〉
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