【幸せを紡ぐ物語】
5.222023
物語【睡蓮】第4話
1年前、夢破れて故郷を離れてから、誰かのために力を尽くすなどと言うことがあっただろうか…。
思えば今日まで、ただひたすらに自分のためだけの道のりだったと、若者は歩きながら旅路に思いを巡らせていました。
小さな睡蓮の池を出てから、ちょうど丸一日たった午後、歩き続けた若者は西の森へつきました。
睡蓮の妖精に道案内されるままに若者が歩いて行くと、森の真ん中に大きな池がありました。
大きな池はたくさんの睡蓮の葉が浮かび、花が咲き誇っていました。
「おかげさまで約束の時間までに西の森へつくことができました。あなたのおかげです。」
睡蓮の妖精は丁寧にお礼を言いました。
…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉
・・・◆・・・◆・・・◆・・・