【幸せを紡ぐ物語】

物語【希望の歌】最終話

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僕たちが命がけでとってきた希望の箱は空っぽだった。
この箱を開ければ、太陽が輝き、空は澄み渡り、木々には緑が溢れ、みんなの顔が笑顔でいっぱいになると思ったのに…。

「世界を変えられると思ったんだ。だけど…」

がっくりと肩を落とす僕たちに一人の老人が言った。
「この地の景色は何一つ変わらない。だが、世界は変わったよ。
私たちは今から希望に向かって生きて行くんだ」

空っぽの小さな箱は希望の歌を奏で続けていた。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

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