【幸せを紡ぐ物語】&【創作レッスン】
8.222026
【創作レッスン】表現の幅を広げ作品の完成度を上げる〜絵の具のグラデーションのやり方とコツ

以前、絵画教室の小学生に質問されたのですが、
「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」
高学年くらいになってきて水彩絵の具を使うことにもなれてくると「もっとカッコいい塗り方をしたい」「もっとこんな風に表現したい」って気持ちが出てきます。
で、使いたくなる技法が「グラデーション」。
大人が絵を描く時も、もちろん、単一の色で塗るだけではなくて、グラデーション技法を取り入れることで、作品の表現の幅はグッと広がります。
ということで、今回は「表現の幅を広げ作品の完成度を上げる!絵の具のグラデーションのやり方とコツ」をお送りします♪
グラデーションとは
絵画におけるグラデーション(gradation)とは…
図面の中で、濃い色から薄い色へ、ある色から別の色へ、など一方から他方へ向かって色が境目なく滑らかに変化していく表現の技法です。
絵を描くとき、例えば葉っぱを緑一色で塗るのではなくて、黄緑から緑へ、とか、黄色から黄緑へ、など変化させながら塗ることです。

透明水彩を使う時のにじみ技法では、絵の具液と絵の具液が自然に混ざり合いながら色が変化しグラデーションができますが、今回は
意図的に作るグラデーション
ということでご説明します。
透明水彩のにじみ技法については「透明水彩のにじみと重ね塗りとは?基本技法と美しい色を生かすコツ」の記事で詳しくご説明しています。
グラデーションの色の変化について
グラデーションの色の変化は
- 同一色の濃淡による変化
- ある色から別の色への変化
などがあります。
塗り初めの色から塗り終わりの色までは段階的に滑らかに変化し、中間地点は2色の色の中間の色になります。
【同一色の濃淡の変化】
赤から白へ変化するグラデーションの場合は
赤→赤と白が混ざった色(ピンク)→白

【ある色から別に色への変化】
赤から黄色へ変化する場合は
赤→赤と黄色が混ざった色(オレンジ)→黄色

となりますね。
ある色から別の色への変化するグラデーションの場合、ある問題があります。
それが、冒頭に書いた
「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」
という質問につながるわけですが、
グラデーションにしたい2色が反対色だったり、2色を合わせたときに三原色のうちの三色が混ざった場合、中間地点の色が暗くなってしまうのです。
ある色から別の色へ変化させる場合の問題は
絵の具の三原色
赤・青・黄色
のうち、三色が混ざると彩度が下がり、色が暗くなります。
つまり、
- 赤から青へ変化する
- 赤から黄色へ変化する
- 黄緑(青+黄色)から黄色へ変化する
- 青から緑(青+黄色)へ変化する
- 青から紫(青+赤)へ変化する
などは三原色のうちの2色しか使われていないので、グラデーションにしても大丈夫。
でも、
- 赤から緑(青+黄色)
- 紫(青+赤)から黄色
など、
グラデーションに使う2色を合わせた時に三原色が全部含まれると、グラデーションの中間地点は三原色が混ざり合い暗い色になってしまいます。
赤から緑(青+黄色)に変化するグラデーション
↓赤と緑の色が混ざり合う場所は暗い色になっています

これが、先ほどの問題
「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」
ということなのですね。
グラデーションで色が暗くならないようにするには
さて、では
「夕暮れの空のオレンジから紫のグラデーション」
ですが、
オレンジ(赤+黄色)から紫(青+赤)への変化
なので、グラデーションの過程で三原色が混ざり合ってしまいます。
もちろん、暗い色(彩度が落ちた色)が悪いわけではありません。
深みのある色、渋い色、さまざまな色を取り入れることで表現の世界は広がります。
ただ、冒頭の小学生は濁りのないクリアな色のグラデーションで夕焼け空を描きたかった、ということなので、その場合の解決策として
オレンジと紫のグラデーションの間に、オレンジと混ぜても紫と混ぜても大丈夫なクッションとなる色を入れる
という提案をしました。
下記の図をご覧ください。何度も出てくる「色相環図」です。

この図のオレンジと紫の間にある色をグラデーションに追加しました。
オレンジと混ぜても紫と混ぜても、三原色の2色までにしかならない色…
といったら赤ですね。
- オレンジ(赤+黄色)から赤へのグラデーションは暗くなりません
- 赤から紫(赤+青)も暗くなりません

なので、オレンジ→紫、というグラデーションにする場合に、オレンジから紫へ直接変化させるのではなくて、色が変化する中で濁らないようにするためのクッションとなる色を追加して、オレンジ→赤→紫というように提案しました。
※「絵の具の三原色」は赤・青・黄色ですが、厳密にいうと、色の三原色ではマゼンタ・シアン・イエローを基本とし、赤や青という色も、これらの色の組み合わせによって作ることができます。
そのため絵の具の赤から紫のグラデーションは、暗めの色調にはなる場合があります。
絵の具の三原色、色の三原色については「絵を描く幅が広がる色の知識〜色の三原色、光の三原色、絵の具の三原色」の記事で詳しくご説明しています。
なので、今回の夕暮れの色の変化は優しいイメージにしたかったので赤ではなくてピンク(色の三原色のマゼンタに近い)を使いました。
オレンジ→ピンク→紫

今回説明している方法ですが、三原色が混ざるグラデーションを作るときに、初心者の方がやりやすいのではないかな、と私が思う方法を説明しています。
他にもやり方があるかと思いますが、ご参考にしていただけたら幸いです(^^
グラデーションのやり方
アクリル絵の具でキャンバスに描く場合など、ある面積を筆を使って意図的にグラデーションで塗りたい場合のやり方をご説明します。
今回ご紹介するのは、面積の両端からそれぞれの色を塗って、乾く前に中央で合流させる方法です。
筆は色の数分(2色なら2本)あると便利です。
最初にグラデーションに使いたい2色の絵の具液を多目に作っておきます
↓
上から下に向かって、筆を同一方向に動かしながら1番目の色を塗ります
↓
最初に塗った色が乾かないうちに反対方向からもう一色の色を塗ります
↓
1番目の色と2番目の色の境目を、(色の境目ができないように)水で濡らしたきれいな筆で滑らかに塗り馴染ませます
コツとしては
- 手早く塗る
- 筆を動かす方向は一方向にする
- 一度塗ったところから逆戻りしない
などになります。
いずれにしろ、やり方を知ったらあとは
慣れ
です!
練習してみましょう(^^
色の変化で表現の幅を広げるグラデーション
空をただ一色で塗るよりも、地平線の薄い青から空高く広がる濃い青へ。
夕暮れ空もオレンジ一色で塗るよりも、夕陽の色が反映したオレンジから紫がかった夜の色へ。
葉っぱ1枚塗るにも、緑一色で塗るのと、黄緑から濃い緑へ変化するようにグラデーションを使うのとではニュアンスが変わります。
ってことで、まったく同じ下描きでも、着色の技法で絵の印象は大きく変わります。
アクリル絵の具でキャンバスに描く場合など、滲まない素材に描くときはグラデーション技法が表現の幅を広げてくれますよ。
ぜひ、コツをつかんで制作に取り入れてみてくださいね(^^
あなたがいつも、優しい光と美しいインスピレーションに包まれていますように✨
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