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物語【朝の仕事】第2話
土曜日の朝、お父さんはやけに早く起きたようです。ごそごそと人が動く物音で目が覚め、「お弁当作ってくれるのかなあ…、コンビニのお弁当でもいいのに…」と、寝ぼけた頭でぼんやり思いながら、嬉しい気持ちがこみ上げてきました。今年の運動会はお父さんが見に来てくれる。
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物語【ある光】第2話
僕は彼女に金を渡すと部屋の隅に膝を抱えて座った。この部屋のどこでどんな格好をしてもいいのだけれど、隅っこで膝を抱えると落ち着いた。灯りを消した部屋の中で、ベットに横たわった彼女のまわりだけがぼんやりと明るくなり始めた。
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物語【朝の仕事】第1話
洗ったばかりの白いシャツやシーツをパンパン!と気持ちよく広げて物干しに干し、これから高くなるお日様に託します。朝の洗濯と、夕食のためにお米を洗ってご飯を炊いておくのが私の仕事。私より早くに家を出て会社へ行くお父さんが、「じゃあ、頼んだよ。戸締りしっかりな。
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物語【ある光】第1話
大きな駅を出てしばらくいくと薄暗い路地に出た。都会のビル街のまばゆい灯りの影となり、まるで数十年前から取り残されたままのような小さな家々がならんでいる。その路地をまっすぐに進んでいくと、いつものマンションに着く。
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物語【eternity】
昔々、ある国の王様と王妃様のもとに、かわいらしいお姫様が生まれました。お姫様はすくすくと育ち、5歳になる頃には白く陶器のような肌にバラ色のほっぺ、ゆったりとカールした美しい栗色の髪を持つ、とても可愛らしい女の子に成長しました。
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