幸せを紡ぐ物語

物語【夜の風に吹かれて】最終話

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「あなたはたった1人でこの畑を?」
「野菜を育てる暮らしが私の夢だったからね。
景気が良い大きな町へ引っ越して行ったこの町の者たちは、私を偏屈な男だと笑ったよ。
でも1人ではなかった。
妻が一緒に残って私の夢につきあってくれたんだ」

老人は嬉しそうにニッコリと笑った。
畑の一角が小さな花壇になっていて、美しく花で飾られた墓が建っていた。

私は老人に感謝と別れを告げると、再び旅路についた。

夜が来て、星空の下、風に吹かれながら老人とその妻のことを思った。
知らない人から見れば、たった一人でゴーストタウンに住む偏屈で孤独な年寄りだ。
でも、彼は愛するものに支えられ、夢を叶えた勇者なのだ。

私もいつか、夢の場所にたどり着くのだろうか。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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