幸せを紡ぐ物語

物語【桜の季節】最終話

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あなたと私は散った桜の花びらを踏みながら、坂道を上りました。
坂のてっぺんまで来ると、坂の上からところどころピンク色に染まった街が見えました。
街を見下ろしながら、あなたがつぶやきました。
「希望とは…」

「希望とは?」
私はあなたに問い返しました。

あなたは遠くの空を見つめ、何も答えませんでした。
それがあなたの答え。

坂道を降り、満開の桜に別れを告げました。
名残惜しげにまとわりつく、桜の花びらを手のひらに乗せ、私がつぶやきました。
「未来とは…」

「未来とは?」
あなたは誰にともなく問い返しました。

あなたと私はお互いの目を見つめ、にっこりと微笑みました。
それが二人の未来への答え。

来年もまた、桜の季節がやってきます。
同じように季節は巡ってくるけれど、今年とは違った風が吹き、今年とは違った日差しの下で、今年とは違う花が咲くのでしょう。
あなたはあなたの場所で、私は私の場所で、新しい気持ちで桜の花を眺める春。

私は優しい思い出と精一杯の勇気を持って、新しい希望とともに、未来を歩いていることでしょう。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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