幸せを紡ぐ物語

物語【夏の終わり】第1話

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この島と対岸の街をつなぐのは、1日たった1往復の船便だけ。
そんな小さな離れ小島で、私は暮らしていました。

学校の友だちは小学校一年生のときからずっと同じ顔ぶれで、まるで兄弟のように育ち、島全体が一つの家族のようです。
その親密さが子ども時代の穏やかな日常と安心感をくれていたとは思うけど、私はだんだんとつまらなくなっていました。

私はよく、島の人たちがあまり足を運ばない小高い丘から、海の向こうを眺めていました。
お天気が良い日には、遠くにかすかに見える対岸の街のビルが、陽炎のようにぼんやりと形を現します。
私は1人で見知らぬ街を眺めては、都会で繰り広げられるドラマを思い描いていました。

…第2話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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