【幸せを紡ぐ物語】

物語【night piece】第3話

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角を曲がると街の印象が広々としたものに変わり、家々を照らす月さえも輝きが増したように感じました。
大きな家、広い庭、門のところに必ずついているセキュリティマーク。
ゆったりと立ち並ぶ家の外観はけして派手ではないけれど、センスの良さと高級感が溢れ出ています。

真っ白い壁の、手入れが行き届いた素敵な洋館があったので、しばらく見とれていました。
「こんな家に住みたいかい?」
猫が私に尋ねました
「いいえ、だって私、一人暮らしなのよ。
こんな広い家に1人で住んでも寂しいだけよ」
「ふ~ん、じゃあ今のアパートなら寂しくないの?」

私は少し考えたけれど正直に答えました。
「寂しいわ」

鼻を鳴らすような音とともに猫はぺろりと舌を出して、前足の先を舐めました。

…第4話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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