幸せを紡ぐ物語

物語【黄色いバラ】第3話

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「あの時、あなたは私がなぜ泣いているのか、聞きませんでしたね」
店主はだまって女性の言葉を待ちました。

「私、あの日恋を失ったの」
さらりとした笑顔で女性が言いました。
「どうりで。一年前よりキレイになられたわけですね」
「あら、恋をするとキレイになるとは聞いたことがあるけれど、失恋してもキレイになるのかしら?」
「悲しみを経験し再び前を向こうとする時、人は美しく輝くのです」
店主はニッコリと微笑みながら答えました。
「そして、失った恋よりももっと素敵な恋ができるでしょう」

女性はテーブルに飾られた黄色いバラを見ながら、静かにココアを飲みました。
「この季節にまたここへ来られて良かったわ」

…第4話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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