幸せを紡ぐ物語

物語【in blue】第2話

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「あ、またあの人だわ」
人魚は高層ビル群から繋がる海沿いの公園に目をやりました。
男性は毎晩のように遅い時間、仕事を終えるとこの海沿いの公園のベンチで、ほんの10分だけ物思いに耽ってから帰宅するのです。

男性は今夜も、自動販売機でコーヒーを買うと、ベンチに座り疲れた様子で一息つきました。
夜のぬるい風に吹かれなから、ネクタイを緩めて海を眺めています。

人魚は海の泡を手ですくい、ふうっと息を吹きかけました。
海の泡は風に乗って男性のところまで飛んで行き、ぱちんとはじけました。

潮の香りの風が優しく男性の髪を撫ぜました。

…第3話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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