幸せを紡ぐ物語

物語【日傘】第1話

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いつもの時間、もう数ヶ月も閉じたままの窓から、外を覗く。
小さな裏庭の低い垣根の向こうを、あの人が通り過ぎて行く。
彼女の背景を彩る、通りを挟んだ竹林の竹のように、いつでもすうっと背筋を伸ばしまっすぐに前を向いて歩いていく。

こちらに目を向けることはない。

強い日差しが照りつける真夏の太陽の下、今日もあの人が通り過ぎて行く。
白い日傘をさし、いつものようにまっすぐに前を向いて、まるで生まれてこのかた汗なんて一滴もかいたことがありません、とでも言うように、涼しげな横顔で通り過ぎて行く。

…第2話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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