【幸せを紡ぐ物語】

物語【happy moon】第2話

happy_moon

「さあ、仲直りの魔法をかけてあげよう」

羽の生えた男の子が手のひらを広げてふうっと息を吹きかけると、月の下に広がる街に、一枚の黄金の羽根が舞い降りました。
黄金の羽根は公園の恋人たちのもとに届くと、2人の頭の上で淡雪のように消えました。

喧嘩をしていた恋人たちは、ふとお互いの顔を見ました。
「ありがとう。今君の優しさが伝わってきた気がするよ」
「私こそありがとう。あなたの思いやりが伝わってきたわ」
男の子が女の子の頬に残る涙を指で拭い、女の子は照れくさそうに微笑んで目を閉じました。

三日月の上の男の子と女の子は、恋人たちのようすをら見下ろして、顔を見合わせてにっこりと微笑みました。

…第3話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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