幸せを紡ぐ物語

物語【candle in the wind】最終話

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「さあ、今から僕はこの世界でやるべき仕事をすることにするよ。
君の心にもう一度恋の炎を灯そう。」
そういってその人は小さなキャンドルを出して、火をつけた。

「君はまた恋をするだろう。
そしてその相手は、たとえ強い風が吹く日でもこの小さなキャンドルの火を消さないように、2人の関係を大切に慈しんでいける相手だ」
「でも…、どんなに一生懸命火が消えないようにしても、キャンドルの炎はいつか芯が燃え尽きて消えるわ」
「そうだね。いつか燃え尽きて消える。でもそれは、最後まで火をたやさないように、お互いの心を大切にしあった証なんだ」
その人は火が灯ったキャンドルを私のほうへ差し出した。
「キャンドルが最後のひとかけらになって燃え尽きた後には、2人の愛の光が残るんだ」
「愛の光…」
「別々の人生を行きて来た2人の魂が、1つの光になるんだよ」

私はおずおずと手を伸ばし、そのキャンドルを受け取った。
私の心に、小さな灯りがともった。
いつの日か、今の悲しみにさえ感謝できる時が来る。
悲しみの果てにも愛が残る。

夢から目覚めた私は、空虚だった心の中に、小さなキャンドルの温もりを感じた。
いつかまた、恋をしよう。
きっと出会う誰かと、たとえどんなに強い風の中でも、この火を消さないように大切に守っていこう。
キャンドルの最後のひとかけらが燃え尽き、愛の光に変わるまで…。

終わり
〈絵と文/松本圭〉

☆お読みいただきありがとうございました☆

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