【幸せを紡ぐ物語】

物語【朝の仕事】第4話

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だけど、みんなで囲むお弁当の輪の中に、私のお父さんはいません。
私はなんだか食欲がわかなくて
「しっかり食べないと午後から走れないわよ、リレーの選手でしょう?」
と先生に背中をポンと叩かれました。

しょうがない、だってお父さんはいつも、夜に私が1人にならないように、遅くまで残業をしないで帰ってきてくれるんだもの。

運動会は終わりが近づき、いよいよ最後の競技、紅組白組対抗リレーの時間がやってきました。
赤組と白組の点差はほんの少しで、見ている人たちも大きな声で声援を送り、盛り上がっています。
私が走るのは5番目、私の組は少しの差で負けている状態でバトンを受け取りました。
ダッと走り出した私の目に、息急き切って人波をかき分けるお父さんの姿が飛び込みました。

お父さんだ!
お父さんが来てくれた!お父さんが見ていてくれる!

…最終話へ続く
〈絵と文/松本圭〉

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