【幸せを紡ぐ物語】
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物語【cross road】第1話
私の宇宙船がこの星に不時着して半年が経ちました。右も左も分からなかった私は、親切な地球人のおばさんに助けられ、なんとか暮らしています。昼間は工場で働いて、自分の生活費を稼ぐようにもなりました。私の故郷の星にいるお父さんお母さん、どんなにか心配していることでしょう。
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物語【ミズキンバイ】最終話
ミズキンバイの妖精は二人の願いを聞き入れ、ずっとお城の庭で暮らしました。カエルの王様と王妃様はミズキンバイの妖精を、まるで自分たちの子どものようにかわいがりました。カエルの王様と王妃様のお城の庭は、ミズキンバイでいっぱいになりました。
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物語【ミズキンバイ】第3話
ある日、すっかり元気を取り戻したミズキンバイの妖精が言いました。「王様、王妃様、私を助けてくれてありがとうございます。お礼にあなたたちの願いを叶えてあげましょう」ああ、とうとうこの日が来たのか、王様とお妃様はそっと目を合わせました。
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物語【夜間飛行】第1話
ある街にとても貧しい青年がいました。青年は働きながら小説家を目指していました。生活費を稼ぐ仕事の合間にコツコツと小説を書いてはコンクールに挑戦していましたけれど、いつもあと一歩のところで夢はつかめません。ある晩のこと、青年は町のカフェでコーヒーを飲んでいました。
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物語【小さな灯】第1話
空の高い高いところのもっと高いところに「ろうそくの庭」はありました。広い庭には長いろうそくや短いろうそく、大きいろうそく小さいろうそく、たくさんのろうそくがあって、明かりが灯っていたり消えていたりしています。
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物語【ミズキンバイ】第2話
カエルの王様と王妃様は、ミズキンバイの妖精を大切に抱えて自分たちのお城へ戻りました。そして、お城の庭の、一番お日様の光が当たる場所にミズキンバイを植え、その草の上に妖精を寝かせました。眠っているミズキンバイの妖精を、お日様が暖かく照らしています。
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物語【夜明け】最終話
しばらくすると、すっかり葉が落ちた木々の向こう、太陽の光がかすかに空を照らし、雪の上に透き通った影を作り始めました。新しい雪、新しい足跡、新しい太陽、新しい1日、新しい希望…すべてが新しい、夜明け。凍えた指先に、昇り始めた太陽のかすかな光さえも暖かく感じられます。
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物語【candle in the wind】最終話
「さあ、今から僕はこの世界でやるべき仕事をすることにするよ。君の心にもう一度恋の炎を灯そう。」そういってその人は小さなキャンドルを出して、火をつけた。「君はまた恋をするだろう。
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物語【ミズキンバイ】第1話
あるところに、カエルの王様と王妃様がいました。王様と王妃様には子どもがなく、とても寂しく思っていました。ある日のこと、王様と王妃様がいつものように散歩に出かけると、草影で小さなミズキンバイの妖精が倒れていました。ミズキンバイという植物は地面を這うように広がって生えています。
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