【幸せを紡ぐ物語】
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物語【羽ばたく】第1話
ある離れ小島に、1羽の鳥が住んでいました。その鳥は、真っ白な大きな羽根を持っていましたが、空を飛ぶことができません。同じ頃に卵からかえった兄弟達が飛ぶことを覚えた頃、白い鳥も毎日毎日一生懸命練習しましたけれど、他の鳥たちのように自由に空を飛べるようにはなりませんでした。
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物語【ガーベラ】第2話
私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。土曜の午後、小学生くらいの男の子がお店にやってきて、ずいぶんと長い間考えたすえ、私を選んでくれました。私を抱えて走る男の子のシャツからは汗の匂いがしました。
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物語【遠くへ行きたい】第3話
ある暑い日、ご主人様は水着を着て海へ向かいました。もちろん私もお供しました。いつか遠くの国へ行こう、そう心に決めたご主人様は、泳いで海を渡るつもりか、水泳の練習を始めることにしたのです。カナヅチの小さな女の子が海で泳ぐだなんて、正気の沙汰ではありません。
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物語【ガーベラ】第1話
私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。夕方、白髪まじりの紳士がお店の前で足を止め、私を選んでくれました。私を抱える紳士のグレーのスーツからは、一日中働いた人の匂いがしました。
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物語【遠くへ行きたい】第2話
ご主人様はこのところ毎日が退屈でたまらないようです。夏休みだと言うのに友だちと遊ぼうともしないで、しょっちゅう世界地図を眺めています。友だちが夢中になっているゲームもテレビも、ご主人様にとってはどこかの大人が作った偽物の世界にすぎません。
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物語【赤い花】最終話
背の高い若者は、そっと腰を屈めて娘の前に赤い花を差し出しました。「あなたが悲しみの中にいるとき、必ず助けにきます。もしも空から赤い花びらが舞ったら、私があなたを見守っているときです」若者は娘に赤い花を手渡すと、その花びらを一枚ぷつりと抜いて口にくわえました。
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物語【遠くへ行きたい】第1話
私の飼い主であるご主人様は、どちらかというと物静かな女の子です。ですが、負けん気が強いところがあって、時には学校でいじめっ子に立ち向かい、家ではお父さんに囲碁の勝負で負けては悔し涙を拭い、いつでも心の中に秘めた炎を燃やしているのです。
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