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  1. 物語【candle in the wind】第3話

    僕はその女の心の中に入り込んでいた。そうか、この女は恋人と別れたのだな。たかが恋をなくしただけ、というわけではないのだろう。この女の無垢なる魂は金色の輝きを放っていると言うのに、心の中の情熱の火はすっかり消えてしまったようだ。人間の感情と言うのはやっかいなものだ。

  2. 物語【in blue】第3話

    ある日人魚が公園を見ると、いつも男性が休んでいるベンチに女の人が座っていました。しばらくすると高層ビルからあの男性が出てきて、その女の人と何か話し込んでいます。「あの人の恋人だわ」人魚はちょっぴり胸が痛みました。

  3. 物語【風の匂い】最終話

    夕方ケンタの家まで謝りに行ったお母さんと男の子に、ケンタは「気にするな!」といい、ケンタのお母さんは「わざとじゃないんだから」と笑ってくれたのです。その帰り道、「ケンタくんは本当に良い友だちね」というお母さんに「親友なんだよ!」と答えました。男らしいケンタが自慢でした。

  4. 物語【candle in the wind】第2話

    私の心は空っぽだ。彼が私のもとを去ってから、世界は色を失った。今までだって何度か恋をして来たはずだけど、彼は私にとって特別な人だった。朝起きると涙が出た。涙を流しながら朝食のトーストをコーヒーで流し込んだ。満員電車の中で彼の影を探した。

  5. 物語【in blue】第2話

    「あ、またあの人だわ」人魚は高層ビル群から繋がる海沿いの公園に目をやりました。男性は毎晩のように遅い時間、仕事を終えるとこの海沿いの公園のベンチで、ほんの10分だけ物思いに耽ってから帰宅するのです。男性は今夜も、自動販売機でコーヒーを買うと、ベンチに座り疲れた様子で一息つきました。

  6. 物語【風の匂い】第3話

    男の子は、今年の夏のお祭りのことを思い出しました。いつもは大人が一緒じゃなきゃ行っちゃ行けないんだけど、今年は初めてケンタと「二人だけで行っていいよ」とお母さんが言ってくれたのです。ケンタと二人、ドキドキしながら人ごみを歩きました。

  7. 物語【candle in the wind】第1話

    この世界は何もなかった。正確に言うと、灰色の雲と砂と風だけがあった。吹き荒れる風の音は、悲しみと孤独の音楽を奏でていた。ここがこの女の世界なんだ。そして今、僕はここにいる。人間界に降り立った僕は、人ごみにまぎれていた。

  8. 物語【in blue】第1話

    濁った都会の海の、深い深い底。その深さが汚れを消し去った後には限り無いブルー。この都会の海の底に、人魚が住んでいました。人魚は、今日も海面に浮かび人間たちのドラマを垣間みています。立ち並ぶ高層ビル、水面に写る深夜でも消えないビルの明かり、時間を忘れて働くビジネスマン。

  9. 物語【風の匂い】第2話

    「君は誰なの?」と男の子が言うと、女の子は答えずにニコッと笑いました。女の子が笑うと小さく風が吹いて、海の匂いがしました。男の子は、夏休みにお父さんが連れて行ってくれた海水浴を思い出しました。

  10. 物語【ある光】最終話

    「君の光を失った人たちはみんな、人生のチャンスを得たんだ。光を求めながら、自分で暗闇の道を選んで歩いていてはダメだって、気がつくはずだよ。誰かに照らしてもらわなくても、自分で光の道を選んでいくべきなんだ。」彼女はびっくりしたように目を丸くして、僕を見つめた。「うん、そうだね。

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