幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【夜間飛行】第2話

    その友だちは小説家を目指す同志なのです。家がお金持ちの友達と貧しい青年、立場は違えど同じ夢を語り合う時間を何度も持った仲間です。友達の頰は紅潮し、希望で輝いていました。青年は軽くコーヒーカップを持ち上げて「おめでとう」とにっこりしました。

  2. 物語【夜間飛行】第1話

    ある街にとても貧しい青年がいました。青年は働きながら小説家を目指していました。生活費を稼ぐ仕事の合間にコツコツと小説を書いてはコンクールに挑戦していましたけれど、いつもあと一歩のところで夢はつかめません。ある晩のこと、青年は町のカフェでコーヒーを飲んでいました。

  3. 物語【夜明け】最終話

    しばらくすると、すっかり葉が落ちた木々の向こう、太陽の光がかすかに空を照らし、雪の上に透き通った影を作り始めました。新しい雪、新しい足跡、新しい太陽、新しい1日、新しい希望…すべてが新しい、夜明け。凍えた指先に、昇り始めた太陽のかすかな光さえも暖かく感じられます。

  4. 物語【夜明け】第2話

    あるとても寒い晩、もうすぐ夜が明ける頃、少女はそっと家の外に出ました。雪は宵のうちに止み、降り積もった雪が淡く光り輝いています。見上げると、空にはまだ冬の夜を彩る星たちが輝いていました。「お母さん、いってきます。私、神様のご褒美が何か知りたいの。

  5. 物語【夜明け】第1話

    山のふもとの村に住む少女は、冬のあいだ夜になるとお母さんの針仕事を手伝います。少女のお父さんは町へ仕事に出かけ、春になるまで帰ってきません。ある晩、お母さんが針仕事をしながらこんな話をしてくれました。「この村にはね、昔からの言い伝えがあるのよ。

  6. 物語【夜の風に吹かれて】最終話

    「あなたはたった1人でこの畑を?」「野菜を育てる暮らしが私の夢だったからね。景気が良い大きな町へ引っ越して行ったこの町の者たちは、私を偏屈な男だと笑ったよ。でも1人ではなかった。妻が一緒に残って私の夢につきあってくれたんだ」老人は嬉しそうにニッコリと笑った。

  7. 物語【夜の風に吹かれて】第5話

    この家の裏に畑があり、野菜を育て、ヤギを飼っている。時折隣の町まで出かけ、野菜を売ったり、他の食物と交換してもらう。「まれにあんたのような旅人を泊めてやると、金を置いて行ってくれることもある。どうやらあんたは文無しのようだが」老人はそういって笑った。

  8. 物語【夜の風に吹かれて】第4話

    すすめられるままに食卓に着くと、思いのほか清潔なその家の台所から、老人が暖かいスープと香ばしい香りのパンを運んできてくれた。幾日ぶりのまともな食事だろうか、私はパンをほおばりながら思わず涙を流し、スープを一口ずつ大切に飲んだ。

  9. 物語【夜の風に吹かれて】第3話

    私は明かりが灯った小さな家の窓から、こっそりと中を覗いた。もしかしたら、この町の人たちを追い出したならず者たちの隠れ家かもしれない。窓の隙間からは何やら良い匂いが漂っていた。スープの匂いだろうか…と、思わず味を想像しようとしたところで、ギィっと錆びた金具の音を立ててドアが開いた。

  10. 物語【夜の風に吹かれて】第2話

    星明かりを頼りに、かつては店だったと思わしき建物を見つけて、暗がりの中あれこれ物色したが、あめ玉一個も見当たらない。あてどない私の旅路も、このゴーストタウンで終わりを迎えるのだろうか?飢えて最後を迎えるなどとはなんと空しいことか。

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