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物語【すずらん】最終話
その男の子、悪い人には見えなかったし、実を言っちゃうとちょっと好みだったんだけどね…。少しくらい一緒にお茶してもよかったかしら?なんでいつも毒発言しちゃうのかしら?あたしって気が強い割に、時々自分の毒で傷ついちゃうの。
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物語【すずらん】第2話
そうそう、とっても可愛くて可憐で幸せ感たっぷりのスズランだけど、スイートな印象とは裏腹に有毒物質をもっているの。有毒物質は特にお花や根っこの部分に多くて、もしもうっかり食べちゃったら重症の時は死んじゃうらしいわ。
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物語【すずらん】第1話
あたしはすずらんの妖精、5月生まれよ。すずらんって白くてぷっくりと垂れ下がって並んだ、小さなお花がキュート。誰だってすずらんを見たらウットリしちゃうでしょ?だからほら、自分で言うのもなんだけど、すずらんの妖精のあたしもとってもキュート。自慢じゃないけどモテモテなの。
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物語【シャボン玉】最終話
「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」今日もまたあの夢を見ました。1ヶ月に1度、必ず見る夢。どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。見上げる上空には青い色が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。
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物語【シャボン玉】第4話
こんばんは。私は星です。いつもあなたを見ています。暗くなった道、仕事を終えて家路を急ぐあなたを、いつも見ています。あなたは一日が無事に終わったことに感謝しながら、私に「ありがとう」と言ってくれますね。
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物語【シャボン玉】第3話
こんにちは。私は風です。いつもあなたを見ています。春に吹くそよ風も、夏に吹くさわやかな風も、秋に吹く優しい風も、冬に吹くひんやりした風も、いつもあなたを見ています。そよ風の中を歩くあなたは、いつも鼻歌まじり。季節の移り変わりを告げる風に、人生を愛おしむ。
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物語【桜の季節】最終話
あなたと私は散った桜の花びらを踏みながら、坂道を上りました。坂のてっぺんまで来ると、坂の上からところどころピンク色に染まった街が見えました。街を見下ろしながら、あなたがつぶやきました。「希望とは…」「希望とは?」私はあなたに問い返しました。
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物語【シャボン玉】第2話
こんにちは。私は空です。いつもあなたを見ています。晴れた日も曇りの日も雨の日も、毎日を丁寧に生きるあなたをいつも見ています。あなたは毎朝起きるとすぐに窓を開け、私に「おはよう」とあいさつをしてくれますね。
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物語【桜の季節】第1話
ある春の日、その年一番桜が美しかった日。満開の桜の花を眺めながら、あなたがつぶやきました。「優しさとは…」「優しさとは?」私はあなたに問い返しました。あなたは私を見つめ、黙ったまま微笑みました。それがあなたの優しさ。
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