幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【ガーベラ】第4話

    私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。そう思いながらお客様を待っていたけれど、誰も私を選ばないまま、私の花は色あせてきてしまいました。明日はこのお店の定休日です。

  2. 物語【ハナキリン】第2話

    どうして自分が一人でいるのか、お姫様は考えたことがありません。遠い遠い記憶で、優しい父と母がいたような気がするけれど、お姫様にとっては物心ついたときから、召使いが自分の唯一の家族でした。お姫様が18歳になったとき、召使いが一通の手紙を持ってきました。

  3. 物語【羽ばたく】第3話

    天使は白い鳥を見つめ「耳を澄ませていなさい」というと、岸壁の上の空を飛ぶ鳥たちに話しかけました。「鳥たちよ、あなた方はなぜ空を飛んでいるのです?」「天使さま、それは生きるためですよ。生きるためにはエサを探さなくてはなりません」天使は次に、海を泳ぐ魚に話しかけました。

  4. 物語【ガーベラ】第3話

    私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。日曜日の昼過ぎ、若い女性がお店にやってきて、私を選んでくれました。私を抱える女性のブラウスからは、甘い香水の香りがしました。

  5. 物語【ハナキリン】第1話

    昔々あるところに、大きな森がありました。大きな森のその奥に、刺に覆われたハナキリンで守られた、小さなお城がありました。お城には一人のお姫様が、一人の年老いた召使いとともに暮らしていました。お姫様は朝目覚めると、お城の窓を開け外の空気を吸いました。

  6. 物語【羽ばたく】第2話

    ある時、疲れきり、悲しみに暮れた白い鳥は島のはずれの岸壁にやってきました。岸壁から覗くと、遥か下のほうで波が岩に当たっては砕け、白い泡が渦巻いていました。

  7. 物語【ガーベラ】第2話

    私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。土曜の午後、小学生くらいの男の子がお店にやってきて、ずいぶんと長い間考えたすえ、私を選んでくれました。私を抱えて走る男の子のシャツからは汗の匂いがしました。

  8. 物語【遠くへ行きたい】最終話

    ご主人様は浮き輪をつけて、果敢に波に飛び込みました。そして、海水と砂にまみれては、押し流されて波打ち際に転がっているのでした。

  9. 物語【羽ばたく】第1話

    ある離れ小島に、1羽の鳥が住んでいました。その鳥は、真っ白な大きな羽根を持っていましたが、空を飛ぶことができません。同じ頃に卵からかえった兄弟達が飛ぶことを覚えた頃、白い鳥も毎日毎日一生懸命練習しましたけれど、他の鳥たちのように自由に空を飛べるようにはなりませんでした。

  10. 物語【ガーベラ】第1話

    私は花です。ガーベラです。町の小さなお花屋さんに並んでいます。私は今日、どなたのお家に飾られるのかしら。夕方、白髪まじりの紳士がお店の前で足を止め、私を選んでくれました。私を抱える紳士のグレーのスーツからは、一日中働いた人の匂いがしました。

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