幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【stand alone】第1話

    私は旅をしていました。長い長い暗闇の中を一人歩く旅です。光り輝く星が見えるでしょうか。私にはまだ見えません。私はどこへ向かえばいいのでしょうか。西か東か、今はそれさえもわかりません。誰かが空を指し示し「ほら、あれがあなたの目指す星だよ」と、教えてくれたらいいのに。

  2. 物語【黄色いバラ】第2話

    「去年の今頃、雨の日に…」女性が言いかけたとき、店主の記憶にあの雨の日がよみがえりました。「あなたはあの時の…」「はい」「見違えました。お元気そうで」「はい」と答えると、女性は照れたように笑いました。

  3. 物語【祝福】第4話

    送ることもできないのに書き続けた手紙の相手の名前は、ずいぶんと前に僕の母さんであると教えてもらった名前だ。父さんは母さんを恋しがっていた。会いたいと何度も書いていた。もしも自分だけなら船を造り、命の危険を冒してでも君のもとへ旅立っただろう。

  4. 物語【ともだち】最終話

    女の子と犬は並んで座り、しばらくの間、木々の間をそよそよと流れる風に吹かれていました。「とても不安だわ。私、今まであなた以外の友だちはいないんだもの」女の子はそういうとぎゅっと膝を抱え、犬の方を見ました。「だからこそお父さんとお母さんは君を学校へ行かせようと考えたんだ。

  5. 物語【黄色いバラ】第1話

    このカフェの名前は「黄色いバラ」。とびきりオシャレ、というわけでもなく、町の喫茶店、と言うほうがあっている、でもどこか雰囲気のある佇まい、そんなお店です。バラの季節には毎年黄色いバラがテーブルを彩り、いつもよりちょっぴりお店が華やぎます。あるバラの季節のできごとです。

  6. 物語【祝福】第3話

    父さんがいなくなってから長い時が流れ、僕は言葉と文字を忘れないようにする、と言う約束を守っていたけれど、言葉を知っていても文字を知っていても、誰にも何も伝えたいことがなかったし、そもそもずっと1人だったから伝える相手もいない。はて、ではなぜ人として生まれたのだろうか?と、時折思う。

  7. 物語【ともだち】第3話

    お父さんとの話を終えると、女の子はすぐに犬のところへ行きました。「私、来月から町の学校へいくんだって。あなたと離れ離れになってしまうわ」落ち着いた様子で犬が尋ねました「ずっと帰ってこないの?」「きっと長い休みには帰ってこれると思うけど…」「それなら心配することないじゃないか。

  8. 物語【girls garden】最終話

    またある日、森へ迷い込んだ子どもが、その木のところへたどり着きました。子どもは愛を求め、誰かのぬくもりを必要としていました。涙を流しながら木を見上げる子どもの前に二人の少女が現れ、少女の一人が木の葉を一枚取ると、子どもに差しだしました。

  9. 物語【祝福】第2話

    父さんは僕に手紙を残していた。その手紙には僕を勇気づける言葉と、僕に守って欲しいと言う約束が3つ書いてあった。1つ目は「言葉と文字を忘れないこと」2つ目は「助けを求める努力を続けること」3つ目は「父さんを捜さないこと」僕は1つだけ約束を守らなかった。

  10. 物語【ともだち】第2話

    ある日、お父さんが女の子を呼んで、あらたまった顔をして話しをしました。「お前は来月から町の学校へ行くんだよ。ここから通うのは無理だから、学校の寄宿舎で暮らす手配をしたよ」女の子は驚いてお父さんの顔をみました。「お前が山の暮らしを大好きなことは知っている。

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